読書狂時代

本について、読書について

ダイナー 平山夢明

いつの頃からか、平山夢明という作家が気になってしかたなかった

 

町山智浩ポッドキャスト

アメリカ映画特電という番組で、平山氏がスポンサーになっており

毎回番組を聞くたびに、氏の名前が呼ばれていた

 

それが影響したようだ・・

 

平山 夢明の作品は

短編 ショート・ショート・ホラー 2冊

それと稲川淳二との対談本を読んでいる

 

長編作品を読むのは、初

 

ダイナーという作品は、大藪春彦賞日本冒険小説大賞の

ダブル受賞している

 

どっちの賞も、私が好きなジャンルを網羅しており

期待せずにはいられない

 

 

 

本の内容だが

 

オオバカナコ(大馬鹿な子)という主人公が

ネットの裏サイトで、簡単なアルバイトに手を出してしまったことから

裏社会にクビを突っ込むことになる

 

簡単なアルバイトは、失敗に終わり

彼女は、殺されるか、だれかに売られるか

自分では人生を選択できない状況に陥る

 

運良く(?)彼女に買い手がつき

あるダイナーで、仕事をすることになるのだが

 

そのダイナーは、人殺し専門のとんでもないお店だった

 

店主も元殺し屋

 

来る客もイカレタ殺し屋

 

何人雇っても、その店では

いつも殺されて、次の働き手を探すのに

苦労をしているような所

 

そんな所に買い取られた

オオバカナコ

 

彼女が待ち受ける運命やいかに・・

 

果たして、生きてこの店から

出ることができるのだろうか?

 

最後の結末は・・

 

 

ストーリーだけ、書くと

ライトノベルっぽさがある

 

事実、最初読んでいるとき

ライトノベルっぽい印象を抱いた

 

だが、これはそんな安いものではなく

 

 

残酷さ、残忍さ、グロ

そして・・食べ物をおいしそうに描かれている

 

 

この小説のウリは、死ぬか生きるかという

極限の状況のなかで、食欲というものを

満たす安心感と満足感

それを同居させた

稀有な作品なのだ

 

 

変わった小説であるという前評判は聞いていたが

まさにそうだと思った

 

物語はダイナー、店内だけで展開されている

 

平山氏は、あるラジオで

小説家ってのは

天気の良いにも、部屋にこもって小説を書くことという

不健康な職業

 

そんなことを言っていたが

部屋に閉じこめられた生活が

歪んだ形で、表現されているようにも思える

 

 

この物語は、

小説の可能性という扉を1つ開けた

 

ダブル受賞も納得の作品だ

 

読んだあと、満腹感で満たされるだろう

 

 

この小説を一言でいうならば

 

 

グロと食欲の同居

 

 

 

 

こんな人にオススメ

 

 

変わった小説が読みたい人